Quartz-Seq2が世界最高性能を示しました

理化学研究所(理研)生命機能科学研究センターバイオインフォマティクス研究開発チームの笹川洋平上級研究員、田中かおりテクニカルスタッフI(研究当時)、林哲太郎技師、二階堂愛チームリーダーの研究チームは、「高出力型1細胞RNAシーケンス法」の国際的な性能比較研究に参加し、同研究室で開発された手法「Quartz-Seq2」が世界最高性能を示しました。

本手法は、今後、細胞分化や臓器・器官発生などの基礎研究から、再生医療や創薬などさまざまな研究分野の発展に貢献すると期待できます。

近年、高出力型1細胞RNAシーケンス法により、臓器に含まれる全ての細胞種と機能を同定し、これにより疾患の解明や発生の機序を理解する研究が盛んに行われています。現在、ヒトの全種類の細胞を調べる国際プロジェクト「ヒト細胞アトラス(HCA)」計画が進められおり、疾患解明や創薬研究などが進展すると期待されています。しかし、1細胞RNAシーケンス法はいくつかの手法が提案されており、その特性の違いが理解されていませんでした。

今回、1細胞RNA-seq法の中で世界的に主要な13手法の開発者・企業が参加し、その性能を比較する研究が実施されました。その結果、研究チームが開発したQuartz-Seq2が総合的な性能スコアで世界最高成績を収めました。

本研究は、科学雑誌『Nature Biotechnology』の掲載に先立ち、オンライン版(4月6日付:日本時間4月7日)に掲載されます。

Elisabetta Mereu, Atefeh Lafzi, Catia Moutinho, Christoph Ziegenhain, Davis J. McCarthy, Adrian Alvarez, Eduard Batlle, Sagar, Dominic Grün, Julia K. Lau, Stéphane C. Boutet, Chad Sanada, Aik Ooi, Robert C. Jones, Kelly Kaihara, Chris Brampton, Yasha Talaga, Yohei Sasagawa, Kaori Tanaka, Tetsutaro Hayashi, Caroline Braeuning, Cornelius Fischer, Sascha Sauer, Timo Trefzer, Christian Conrad, Xian Adiconis, Lan T. Nguyen, Aviv Regev, Joshua Z. Levin, Swati Parekh, Aleksandar Janjic, Lucas E. Wange, Johannes W. Bagnoli, Wolfgang Enard, Marta Gut, Rickard Sandberg, Itoshi Nikaido, Ivo Gut, Oliver Stegle, Holger Heyn, “Benchmarking Single-Cell RNA Sequencing Protocols for Cell Atlas Projects”Nature Biotechnology, 10.1038/s41587-020-0469-4

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1細胞RNA解析で世界最高成績-国際的な性能比較研究で証明-