エピゲノム異常と脳機能不全の機序解明

理研眞貝研らとの共同研究で、遺伝性精神神経疾患の一つであるクリーフストラ症候群の脳機能不全が生後でも治療できる可能性をマウスで示しました。原因遺伝子のヒストンメチル化酵素を補充するとマウスの活動量低下や不安を抑制できました。

我々のラボでは、ヒストンメチル化酵素を欠損させたマウス脳で1細胞核RNA-seqを担当し、炎症との関係を示しました。RamDA-seqで1細胞核RNA-seqを行った初めての例になります。脳はpre-mRNAのような長いRNAやポリAが付加されていないRNAが多く存在しますが、ランダムプライミングを用いるRamDA-seqではそのようなRNAももれなく捉えることができますので、1細胞核RNA-seqにも向いていると思われいます。

Ayumi Yamada, Takae Hirasawa, Kayako Nishimura, Chikako Shimura, Naomi Kogo, Kei Fukuda, Madoka Kato, Masaki Yokomori, Tetsutaro Hayashi, Mana Umeda, Mika Yoshimura, Yoichiro Iwakura, Itoshi Nikaido, Shigeyoshi Itohara, Yoichi Shinkai.
Derepression of inflammation-related genes link to microglia activation and neural maturation defect in a mouse model of Kleefstra Syndrome.
iScience. June 16, 2021

日本語のプレートは以下です。

エピゲノム異常に起因する脳機能不全の治療の可能性 -クリーフストラ症候群の治療法開発に前進-