1細胞RNA-seqベンチマーク論文のpreprintが公開されました

世界中のハイスループット型1細胞RNA-seq開発者や企業が参加した国際的なベンチマーク大会が、Human Cell Atlas Projectで開催されました。これまで報告されている13種類の代表的な手法が比較されました。この活動は、7カ国, 25研究機関が参加した国際的な取り組みです。アジアからは唯一我々がQuartz-Seq2で参加しました。その結果をまとめた論文の preprint が公開されました。

全参加チームがスペインのバルセロナから送られた同じ細胞カクテルを用いて、各拠点で1細胞採取からシーケンスまでを実施しました。細胞カクテルは事前にヒトやマウス、イヌなどの細胞を一定量混ぜたサンプルで、バルセロナで混合されたサンプルが世界中の拠点に冷凍輸送されました。そのサンプルを元に各チームが各方法で1細胞RNA-seqを実施しました。その後、生データはバルセロナに集められ、その性能を比較が比較されました。評価指標としては検出遺伝子数や、細胞型の判別など複数の項目に渡ります。

その結果、我々のQuartz-Seq2が評価項目のほとんどでTopの成績を示し、ベンチマーク総合スコアでトップスコアを示しました。特に検出遺伝子は他の手法を圧倒しています。これまで我々自身の論文で示してきたことではありますが、今回より客観的にQuartz-Seq2が世界最高精度のハイスループット1細胞RNA-seqであることが示されました。

このプレプリントはすでに学術誌に投稿しており、専門家のレビューを受けて、採択を目指しています。このベンチマーキングでは、Human Cell Atlas ProjectChan Zuckerberg Initiative の支援を受けました。

Elisabetta Mereu, Atefeh Lafzi, Catia Moutinho, Christoph Ziegenhain, Davis J.MacCarthy, Adrian Alvarez, Eduard Batlle, Sagar, Dominic Grün, Julia K. Lau, StéphaneBoutet, Chad Sanada, Aik Ooi, Robert C. Jones, Kelly Kaihara, Chris Brampton, YashaTalaga, Yohei Sasagawa, Kaori Tanaka, Tetsutaro Hayashi, Itoshi Nikaido, CorneliusFischer, Sascha Sauer, Timo Trefzer, Christian Conrad, Xian Adiconis, Lan T. Nguyen, Aviv Regev, Joshua Z. Levin, Aleksandar Janjic, Lucas E. Wange, Johannes W. Bagnoli, Swati Parekh, Wolfgang Enard, Marta Gut, Rickard Sandberg, Ivo Gut, Oliver Stegle, Holger Heyn. Benchmarking Single-Cell RNA Sequencing Protocols for Cell Atlas Projects. bioRxiv. (submitted)

細胞あたりの検出遺伝子数とリード数の関係。黄色がQuartz-Seq2