JST CREST多細胞に採択されました

「多細胞間での時空間的な相互作用の理解を目指した技術・解析基盤の創出」体表多様性を創発する上皮―間充織相互作用の動的制御機構の解明 (代表: 藤原 裕展)が、分担研究者として採択されました。

生物は、多様な体外環境に適応して体内環境を一定に保つために、体表の構造と機能の著しい多様性を生み出しました。しかし、体表が多様な形態と機能を自在に生むしくみや理論はよく分かっていません。本研究では、上皮と間充織というヘテロな組織の間の細胞間相互作用と、その相互作用の変化が多様な体表機能を創発するという新しい視点に立ち、そのしくみを、細胞間相互作用の時空間的発展の1細胞解析を通して明らかにします。

2020/04/01 追記: 本年度より本研究は東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム機能情報分野 (教授: 二階堂愛)で実施されます。

露崎さんがJSTさきがけに採択

研究員の露崎さんがJSTさきがけに採択されました。

どの細胞同士が、いつ、どこで、どの分子ネットワークによって細胞間相互作用(CCI)をしたのか」という情報を、テンソルというデータ構造で表現し、テンソル分解アルゴリズムを適用することで、データに含まれる顕著な時空間CCIパターンを抽出します。また、テンソルの柔軟性を活用し、各種1細胞オミックスとの同時解析や、他の研究者のデータに、関連情報を割り当てる、推薦システムの開発にも取り組みます。

JSTさきがけ 多細胞システムにおける細胞間相互作用とそのダイナミクス テンソル分解を利用した細胞間相互作用の時空間解析

RamDA-seq, RT-RamDAの試薬キット発売

我々が2018年に発表した、非ポリAも含むRNAの完全長をカバーする世界初の高感度1細胞RNA-seq法RamDA-seqの試薬キットが、東洋紡から2019/09/30に発売されます。

がんなど1細胞レベルでの疾患解析や診断に貢献します。

RamDA-seqのキットと同時に、RT-qPCR用のキットも同時リリースです。RamDA-seqの基礎反応であるRT-RamDAは、微量RNAから、複数遺伝子をqPCRで検出することにも使えます。RNAウイルス検出や微量検体からの診断などにも応用できます。

シーケンスのほうはキット化に際して、1細胞だけでなく微量RNAサンプルにも対応させてあります。また懸案だったnot-so-random primer も発売されますので、自分で試薬を集めるよりかなり簡便になっています。メーカーサポートも付きます。

キット発売に向けて、1次データ解析(fastqから発現行列、QCまで)の解析ワークフローをオープンソース、商用利用化で公開準備中です。こちらは続報をお待ちください。発現行列移行はSeuratなりMonocleなりお好きなツールでどうぞ!