ConBio2017で5つの講演があります

2017年12月6-9日に神戸で行われる生命系学会合同年次大会(ConBio2017)では、我々のラボから、1つのシンポジウム、3つのワークショップにて講演があります。

0. 2017年12月6日(水) 09:00 〜 11:30 第1会場 (神戸ポートピアホテル 本館 地下1階 偕楽1)
[1AW01] いかにして「使える」データベースを維持し続けるか?
10:54 〜 11:12 [1AW01-6] データベースとデータ解析の融合 ~なぜデータベースは必要か~
〇露崎 弘毅1 (1.理研・情報基盤・バイオインフォ)

1. 2017年12月7日(木) 09:00 〜 11:30 第14会場 (神戸国際会議場 3階 国際会議室)
シンポジウム[2AS14] シングルセル解析が切り開く薬理学の新潮流
オーガナイザー:成田 年(星薬科大学)、オーガナイザー:山中 章弘(名古屋大学)
09:33 〜 10:01 [2AS14-2] RamDA-seq: あらゆるRNAの全長を1細胞レベルで検出するRNAシーケンス法
〇二階堂 愛1(1.理研・情セ・バイオインフォ)

2. 2017年12月8日(金) 09:00 〜 11:30 第5会場 (神戸ポートピアホテル 本館 地下1階 菊水)
ワークショップ[3AW05] 分子生物学的アプローチによる運動器研究の新展開
オーガナイザー:乾 雅史(明治大学)、オーガナイザー:早田 匡芳(筑波大学)
11:05 〜 11:25 [3AW05-7] 高出力1細胞トランスクリプトーム解析の展開と多細胞生物学
〇團野 宏樹1、笹川 洋平1、二階堂 愛1(1.理研・情報基盤・バイオインフォマティクス)

3. 2017年12月8日(金) 16:00 〜 18:30 第15会場 (神戸国際会議場 3階 レセプションホール)
[3PW15] ゆらぎが担う器官発生のしくみ
オーガナイザー:髙里 実(理化学研究所)、オーガナイザー:栗崎 晃(奈良先端科学技術大学院大学)
16:00 〜 16:25 [3PW15-1] 1細胞トータルRNAシーケンス法は、発生生物学の「ゆらぎ」解析にパラダイムシフトをもたらすのか?
〇林 哲太郎1、尾崎 遼1、笹川 洋平1、團野 宏樹1、梅田 茉奈1、二階堂 愛1(1.理研・ACCC・バイオインフォマティクスU)

共同研究者からの一般口頭発表もあります。

4. 2017年12月9日(土) 16:15 〜 17:45 第16会場 (神戸国際会議場 4階 401+402)
一般口頭発表 | 7. 発生・再生 | 発生・再生(一般口頭発表)
[4P2T16] 発生・再生 Ⅴ
座長:谷水 直樹(札幌医科大学)、座長:松井 貴輝(奈良先端科学技術大学院大学)
16:55 〜 17:05 [4P2T16-05(3P-0817)] 毛包幹細胞の起源と誘導メカニズムの解明
〇森田 梨津子1、三千 典子1、林 哲太郎2、梅田 茉奈2、芳村 美佳2、二階堂 愛2、阿部 高也3、清成 寛3,4、古田 泰秀3,4、藤原 裕展1(1.理化学研究所、2.理化学研究所、3.理化学研究所、4.理化学研究所)

Biocloud Hackathon 2017

ライフサイエンス分野でのパブリッククラウド利用を目指したハッカーソンを実施します。

開催趣旨:
ライフサイエンス分野では、大量のデータを出力するDNAシーケンサーや顕微鏡などの進歩により、大量のデータを解析し、可視化し、共有する必要が出てきました。また、このようなデータが公的データベースで大量に提供されており、これらのオープンデータと、自身のデータを比較しなければ、研究ができなくなってきています。

様々なデータを解析するためには、様々なプログラムと計算機、データベースを複雑に組み合わせで実現しなければなりません。さらに、このようなデータがいつどのぐらい出力されるかは、不確定な生物実験の進捗に強く依存するため、事前に計算量の見積りが困難で、計算機の確保や計算環境の構築が困難になります。このような背景から、ライフサイエンス分野での科学計算が高度化し、再現のある計算が困難になりつつあります。

これらの問題を解決するために、いつでも自由に柔軟に計算リソースを仮想的に確保し、ソフトウェア環境を再現良く確保できるパブリッククラウドの利用が注目されつつあります。そこで、ライフサイエンス分野でクラウドを利用し、研究を促進できるか、実際に体験するハッカーソンを実施します。ライフサイエンス分野の様々な分野からの参加を歓迎します。

日時: 12月16-17日 (土、日)
場所: 品川、日本マイクロソフト本社 会議室
参加申し込み: support-bit at riken dot jp へご連絡だください。
企画書: バイオクラウドハッカーソン2017企画書

プログラム:
12/16 (土)
10:00 MS Azureの説明
11:00 Lighting Talk
13:00- ハッカーソン
17:30- プログレス発表

12/17 (日)
10:00-12:00 ハッカーソン
13:00-16:00 ハッカーソン
17:00-18:00 プログレス発表
18:00-18:10 Closing Remarks

主催:
理化学研究所バイオインフォマティクス研究開発ユニット / 日本マイクロソフト

高精度で低コストなハイスループット1細胞RNA-seq法Quartz-Seq2の論文を公開

Single-cell RNA-sequencing は、組織・臓器に含まれる細胞亜集団を発見したり、細胞分化の仕組みの解明に貢献しています。しかし、計測できる細胞数や遺伝子数に限りがありました。

そこで我々は、Cell barcoding, Molecular barcoding 技術と、改良された高効率の PolyA tagging 技術により、高い精度を保ちつつ、低コストな1細胞RNA-seq法Quartz-Seq2の開発に成功しました。Quartz-Seq2は、384ウェルプレートとCell sorterを利用して、1細胞を採取した後、バーコード技術により1細胞やRNA分子を標識した後、1本のチューブに混合し、シーケンスライブラリを作製します。これにより数千の1細胞RNA-seqを実施できます。1細胞のシーケンスコストは、わずか76円程度になりました。

論文の preprint を bioRxiv で公開しています。

Quartz-Seq2: a high-throughput single-cell RNA-sequencing method that effectively uses limited sequence reads

国際学術誌への投稿を済ませており、現在、査読・改訂が行われています。

RNA-seq blogで取り上げられました。

[追記]
Quartz-Seq2の論文が出版されました。

NGS現場の会第五回研究会での発表

NGS現場の会第五回研究会にて、我々のラボから複数の発表があります。ぜひお立ち寄りください。

口頭発表

  1. 團野宏樹. 高出力1細胞トランスクリプトーム解析と多細胞生物学
  2. 笹川洋平. Flow cytometryを用いた高出力1細胞RNA-seq 法Quartz-Seq2の開発とそれを支えるKAPA Hyper Prep

ポスター発表 (ライトニングトーク)

  1. 1細胞RNA-seqの実験手法に関する発表
    1. 林哲太郎. 完全長を捉える新規1細胞トータルRNAシーケンス法の開発
    2. 梅田茉奈. RamDA-seq法を用いた1細胞完全⻑トータルRNAシーケンスのライブラリー作製ワークフロー
  2.  NGSデータ解析手法に関する発表
    1. 尾崎遼. ⼀細胞エンハンサーRNA解析でエンハンサーのゆらぎを捉える
    2. 露崎弘毅. 超大規模1細胞RNA-Seqデータ解析のためのオンライン型主成分分析法の開発
    3. 松本拡高. 空間、1細胞RNA-seq、重ねて
    4. 芳村美佳. コンテナ仮想とデータ解析フレームワークを用いた
柔軟で再現性のある1細胞RNA‒Seqデータ解析環境の構築
  3. NGSデータ解析インフラに関する発表
    1. 石井学. パブリッククラウドを利用した容易で再現性のあるNGSデータ解析環境構築
    2. 松嶋明宏. コンテナ型仮想化技術を用いたNGSデータ解析環境の構築と運用
  4. 我々が実験やデータ解析の協力をした共同研究者の発表
    1. 森田梨津子. 毛包幹細胞の起源と誘導メカニズムの解明を目指して
    2. 岩本 一成. スーパーエンハンサーを介した転写因子NF-κBの遺伝子発現制御機構の解明

パブリッククラウドにNGS解析環境を構築

Microsoft Azure上に、Bayes Linux を利用して、DNAシーケンスデータ解析環境を開発しました。この活動がマイクロソフト社のウェブサイトで紹介されました。

国際競争の激しいゲノム研究に新たな活力を。オープンソース × Microsoft Azure 活用で、先進のデータ解析環境をより多くの大学・研究機関へ提供

JST CREST採択

科学技術振興機構 (JST) 戦略的創造研究推進事業 (CREST) 統合1細胞解析のための革新的技術基盤「臓器・組織内未知細胞の命運・機能の1細胞オミクス同時計測 (代表: 二階堂愛)」に採択されました。新しい1細胞シーケンス実験技術とデータ解析技術の研究開発を進めます。

研究員を募集しています。以下をご覧ください。
http://www.riken.jp/careers/researchers/20161011/