発現ゆらぎと転写バーストに関する論文のプレプリントを公開

新しい論文のプレプリント公開しました。この研究は広大の落合博さんとの共同研究です。

この研究では、哺乳類細胞の遺伝子発現ゆらぎと転写バーストの関係をゲノムワイドに解析しました。まず、1細胞RNA-seqを利用してES細胞の発現ゆらぎと転写バーストの関連を調べました。我々が2018年に発表したRamDA-seqを利用しています。転写バーストの動力学はポリコームや転写伸長因子など、プロモーターと遺伝子本体に結合するタンパク質によって決定されていました。

次に、ゲノム編集ライブラリを使って、ゲノムワイドに転写バーストに関わる遺伝子をスクリーニングしたところ、Akt/MAPKシグナル伝達経路が転写伸長効率の調節を介してバースト速度を調節することが明らかになりました。
このプレプリントは、現在、国際学術誌で専門家による査読を受けており、将来的に採択されれば出版となります。

Hiroshi Ochiai, Tetsutaro HayashiMana UmedaMika Yoshimura, Akihito Harada, Yukiko Shimizu, Kenta Nakano, Noriko Saitoh, Hiroshi Kimura, Zhe Liu, Takashi Yamamoto, Tadashi Okamura, Yasuyuki Ohkawa, Itoshi NikaidoGenome-wide analysis of transcriptional bursting-induced noise in mammalian cells. bioRxiv. (under review)

第1回 バイオインフォマティクスデータ可視化セミナー

第1回 バイオインフォマティクスデータ可視化セミナー

概要

バイオインフォマティクスデータ可視化セミナーは、生物学のデータ解釈の効率を最大化するためのソフトウェア環境やその構築技術についてのセミナーです。バイオインフォマティクスでは定番となるデータ可視化手法が確立されていないことが多く、それぞれの研究内容に応じて独自のソフトウェアの実装が行われています。このセミナーでは各実装の共通部分の開発ベストプラクティスを共有し、本分であるデータ解釈の効率化を目指します。また様々な研究分野における可視化が抱える課題を共有し解決へ向けた情報交換を行います。

具体的な技術としては、Python言語やR言語のデータ可視化ツールの利用と実装、ワークフローのダッシュボード化、ネットワーク可視化ソフトウェア(Cytoscape)の利用・自動化などについて実験的なものや、開発中のものも含めて議論します。

産学官や学問分野などの垣根を越えて、可視化に関わる技術者や科学者などからの参加を広く募集します。 オープンクエスチョン前提の議論・交流を考えております。お気軽にご参加ください。

    • 日時:2018年12月26日 (水)、13時00分-18時
    • 場所:理化学研究所東京連絡事務所、15階会議室3,4
    • 住所:東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング [地図]
  • 問い合わせ: support-bayes at riken dot jp

プログラム(敬称略)

時間 内容
13:00-13:30 受付
13:30-13:35 オープニング

二階堂愛
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット
オープニング

13:35-13:40 諸注意など
石井学
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット
13:40-14:40 大野圭一朗
University of California, San Diego Trey Ideker Lab
/ National Resource for Network Biology / The Cytoscape Consortium
バイオインフォマティクス分野における可視化アプリケーション構築と維持の実際
14:40-15:10 休憩&ミキサー
15:10-15:40 柚木 克之
国立研究開発法人理化学研究所 生命医科学研究センター トランスオミクス研究YCIラボ
「トランスオミクスネットワークの解釈可能な視覚化: 2.5次元、事前知識、動画ツアー」
15:40-16:10 海津 一成
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオコンピューティング研究チーム
「細胞シミュレーションにおける可視化」
16:10-16:40 休憩&ミキサー
16:40-17:10 津川 裕司
国立研究開発法人理化学研究所 環境資源科学研究センター メタボローム情報研究チーム
「Visualization efficiency for annotating novel metabolites in mass spectrometry based metabolomics」
17:10-17:40 LT

  • 大阪大学医学部医学科、安水良明 (阪医Python会 活動報告)
  • 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科、横山 稔之(TBA)
  • Daniel Chen (TBA)
17:40-17:45 石井学(国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット)
「クロージング」
公式な懇親会は予定していません。

講演は、発表、質疑応答、演者交代を含め、トータル30
分予定です。(一部講演は60分)

休憩とミキサーの時間を何度か取っておりますので、交流や議論などを深めていただければと思います。

これまでの関連する活動

Twitter: #bioinfovizjp#bioinfovizjp

第2回 HPC OPS 研究会のお知らせ

第2回 HPC OPS研究会

概要

HPC OPS (えいちぴーしー おぷす) 研究会は、自然科学の研究成果を最大化するための科学計算環境やその構築技術についての研究会です。計算環境構築の時間やコストを低下させ、本来の研究活動に多くの時間を割けられるよう科学計算環境の開発・運用のノウハウを共有します。また、そのような計算環境そのものを研究開発したり、提供する研究者や技術者との交流を目指します。

具体的な技術としては、コンテナ型仮想計算やクラウドでのHigh Performance Computing、DevOps による科学計算環境の自動構築、データ解析ワークフローエンジンの実装や利用、最適なオンプレミスPCクラスタの運用構築などについて議論します。産学官などの垣根を越えて、クラウドやDevOps, HPCに関わる技術者や科学者などからの参加を広く募集します。

  • 日時:2018年7月2日 (月)、13時30分-18時
  • 場所:日本マイクロソフト (品川)、31階セミナールーム(C+D)
  • 住所:東京都港区港南2丁目16−3 品川グランドセントラルタワー
  • 参加申し込み: 締め切らせていただきました。
  • 当日の入館に関して:お名刺をご持参ください
  • 主催: 理化学研究所. 協賛: 日本マイクロソフト
  • 問い合わせ: support-bayes at riken dot jp

プログラム(敬称略)

時間 内容
13:00-13:30 受付
13:30-13:40 オープニング

二階堂愛
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット
当日の発表資料はこちら

13:40-13:45 諸注意など
石井学
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット
13:45-14:20 海津一成
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオコンピューティング研究チーム
「細胞シミュレーションソフトウェアE-Cell4の技術」
14:20-14:55 白石友一
国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター ゲノム解析室
「Extraction Transformation Load (ETL)アプローチに基づくがんゲノム解析パイプラインの開発」
14:55-15:30 近藤宇智朗(udzura)
GMOペパボ株式会社 技術部技術基盤チーム
「コンテナランタイムとアーキテクチャを新規に開発した結果、見えてきた世界について」
15:30-15:40 日本マイクロソフト
「Microsoft Azure 事例紹介 (仮)」
15:40-16:00 休憩&ミキサー
16:00-16:15 奥野 慎吾
エクストリーム-D株式会社 取締役CTO
「XTREME-Dが提供するクラウドHPCサービス」
16:15-16:50 政谷好伸
国立情報学研究所 クラウド基盤研究開発センター
「NIIでの計算機環境の運用及び、Literate Computing(for reproducible infrastructure)について」
16:50-17:25 佐藤仁
国立研究開発法人産業技術総合研究所 人工知能研究センター
「AI橋渡しクラウド(ABCI)における高性能計算とAI/ビッグデータ処理の融合」
17:25-17:45 休憩&ミキサー
17:45-17:55 振り返り、質疑応答
17:55-18:00 クロージング

二階堂愛
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット

懇親会

講演は、発表30分、質疑応答、演者交代を含めて5分、トータル35分予定です。

休憩とミキサーの時間を何度か取っておりますので、交流や議論などを深めていただければと思います。終了後、懇親会を行いたいと思っております。

これまでの活動

Twitterハッシュタグ: #hpcopsjp

第1回 HPC OPS 研究会のお知らせ

第1回 HPC OPS研究会

概要

HPC OPS(えいちぴーしー おぷす)研究会は、自然科学研究の成果を最大化するための科学計算環境についての研究会です。研究時間やコストを低下させ、本来の研究活動に時間を割けられるよう科学計算環境の開発運用のノウハウを共有します。また、そのような計算環境そのものを研究開発したり、提供する研究者や技術者との交流を目指します。

具体的な技術としては、コンテナ型仮想計算やクラウドでのHigh Performance Computing への応用や、DevOps による科学計算環境の自動構築、データ解析ワークフローエンジンの実装、最適なオンプレミスPCクラウタの運用構築などについて議論します。産学官などの垣根を越えて、クラウドやDevOps, HPCに関わる技術者や科学者などからの参加を広く募集します。

  • 日時:2018年3月13日、13時30分-18時
  • 場所:日本マイクロソフト (品川)、31階セミナールーム(C+D)
  • 参加申し込み: support-bayes at riken dot jp へご連絡だください。3月8日13:00まで。延長しました。3月12日月曜日 13:00 まで。(席が埋まりましたらその前に締め切らせていただくことがあります)。
  • 主催: 理化学研究所. 協賛: 日本マイクロソフト

プログラム

時間 内容
13:00-13:30 受付
13:30-13:40 オープニング

二階堂愛
国立研究開発法人理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマ
ティクス研究開発ユニット 「研究生産性を向上させるためのHPC OPS」

13:40-13:45 諸注意など
石井学
国立研究開発法人理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマ
ティクス研究開発ユニット
13:45-14:10 大田 達郎
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター「DBCLSでのコンテナ・クラウド活用紹介」
14:10-14:35 澤登亨彦
HiganWorks合同会社 .モビンギ株式会社「Dockerコンテナをつかったホスティングサービスと用途別コンテナイメージの話」
14:35-14:45 中田寿穂
日本マイクロソフト株式会社パブリックセクター事業本部
クラウドアーキテクト「HPC on Azure」
14:45-15:05 休憩&ミキサー
15:05-15:20 柴田 直樹
エクストリーム-D株式会社 CEO, High Performance Cloud Architect クラウドスパコン構築運用自動化サービス「XTREME-DNA」
15:20-15:45 竹房あつ子
国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系「クラウドでのアプリケーション環境構築・管理を支援するオンデマンドクラウド構築サービス」
15:45-16:10 松嶋明宏
国立研究開発法人理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマ
ティクス研究開発ユニット「科学技術計算用クラスタへのDocker導入と運用」
16:10-16:35 笠原雅弘
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻
「最先端のゲノム解析で使いたい理想のコンテナ仮想化を考える」
16:35-16:55 休憩&ミキサー
16:55-17:50 ディスカッション
17:50-18:00 クロージング
懇親会

講演は、発表20分、質疑応答、演者交代を含めて5分、トータル25分予定です。

休憩とミキサーの時間を何度か取っておりますので、交流や議論などを深めていただければと思います。終了後、懇親会を行いたいと思っております。

ディスカッションの話題としては、以下のようなものを考えております

  • パブリッククラウドやプライベートクラウドの利活用
  • コンテナ型計算環境
  • Reproducibility, バックアップ
  • HPC, ジョブスケジューラ, DevOps、セキュリティ
  • 産官学連携、他研究分野との交流、情報交換など

これまでの活動

ハッシュタグ: #hpcopsjp

追記: プレゼンに利用したスライドをを演題タイトルからリンクしました (2018/03/15)