次世代シークエンス解析スタンダードを上梓しました

次世代DNAシーケンスのプロトコール本を羊土社より出版しました。ユニットリーダーの二階堂が監修し、研究員の笹川、團野も執筆に参加しています。

次世代シークエンス解析スタンダード

次世代シークエンス解析スタンダード
NGSのポテンシャルを活かしきるWET&DRY
二階堂 愛/編 定価 5,500円+税
2014年08月 発行 B5判 404ページ
ISBN 978-4-7581-0191-2

エキソームやエピゲノムや1細胞RNA-Seq など、医療現場から非モデル生物、生物資源まで各分野の現場で実際に使えるプロトコールやテクニックを集めました。データ解析についても基本的なことから書いてあります。論文には書いていないコツなども満載です。ぜひ手に取ってみてください。感想もお待ちしております。

一時、品切れが続いていましたが、現在は以下のサイトから購入が可能です。

また本屋では「生物学」のコーナーではなく「基礎医学」に分類されて陳列されていることが多いようです。

創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業解析拠点機能ゲノミクス領域Bに採択

文科省「創薬等支援技術基盤プラットフォーム 解析拠点機能ゲノミクス領域B」に、二階堂愛ユニットリーダーが代表として採択されました。超微量RNAシーケンス法の研究開発と、その技術の提供を進めていきます。

H27理研基礎科学特別研究員の公募開始

H27理研基礎科学特別研究員の公募が始まりました。待遇は、任期3年で月額48.7万円(住宅・交通費別)+年100万円の研究費です。うちでも、ドライ・ウエット共に受け入れていますので是非どうぞ。一緒に新しい1細胞オミックスの技術開発や、それを使った1細胞生物学の研究を進めましょう!

バイオインフォマティクス研究開発ユニットの研究内容はこちらです
理研基礎科学特別研究員の応募についてはこちらをご覧ください

理研大学院生リサーチ・アソシエイト(JRA)に2名が採用決定

理研には、理研の研究室に大学院生を採用し、研究指導を行う「大学院生リサーチ・アソシエイト (JRA)」というフェローシップ制度があります。この制度により、我々の研究室も大学院生を受け入れすることができます。理研版の学振DCのようなものです。

今年は我々の研究室への配属を目指して2名の大学院生がトライしましたが、2名とも合格し、採用することができることになりました。ひとりは、東邦大学大学院博士課程前期2年(現在)の小杉孝嗣さんで、新しいシーケンス実験技術の開発を目指します。もうひとりは、東京理科大学薬学研究科薬科学専攻博士後期課程2年(現在) 宮崎研究室(生命情報科学研究室)の露崎弘毅さんで、1細胞オミックスのデータ解析手法やソフトウェア開発に取り組みます。おめでとうございました。

現在の募集状況について
我々のラボでは、理研の制度であるJRAだけでなく、自前の研究費でインターンも募集しています。博士課程後期の場合は時給1300-1500円、前期の学生は1000-1300円ぐらいで、いずれも週最大26時間です。学部生は相談ください。

理研では学振PDを受け入れることができますので、ご興味あるかたはお気軽に連絡してください。また理研基礎特別研究員制度もご検討ください。

ウェットではなく、バイオインフォマティクスに関しては、これらのフェローシップとは別に、ラボの人件費で、研究員(月額35万円以上で経験に応じて相談、住宅・通勤手当あり)、テクニカルスタッフ(月額30万円以上で経験に応じて相談、住宅・通勤手当あり)をそれぞれ若干名、採用できますので連絡をお待ちしております。

研究員とインターンがやってきました

2014/01/01より、新しい研究員とインターンが各1名ずつラボの仲間になりました。

研究員は林哲太郎さんです。FACSで1細胞を採取する達人です。また1細胞RNA-Seq/qPCRの技術開発の経験も持っています。このような技術を元に、新しい1細胞オミックス技術開発と再生医療への応用に取り組みます。

インターンは東邦大学大学院博士課程前期2年の小杉孝嗣さんです。エピゲノムに関わる新しいシーケンス技術の研究開発をテーマに研究を行います。

また、現在、シーケンスデータ解析技術の研究開発をする研究員、テクニカルスタッフ、インターンも募集しています。興味をお持ちのかたは、itioshi dot nikaido at riken dot jp までお気軽にお知らせください。

現在のメンバー一覧はこちらです。

第36回日本分子生物学会年会WSで1細胞RNA-Seqについて講演

ユニットリーダーの二階堂愛が第36回日本分子生物学会年会のワークショップで以下の発表を行いました。

幹細胞の分化制御機構から疾患メカニズムへ 〜生理・病態機能の試験管内再現に向けて〜
Chairs 八木田 和弘(京都府立医科大学), 堀江 恭二(奈良県立医科大学)

「1細胞RNA-Seqを用いた幹細胞の細胞状態ゆらぎの理解に向けて」
細胞集団のなかには、細胞によってmRNAやタンパク質量が不均質になる現象が知られている。このような細胞状態の不均質性(ゆらぎ)は、発生や細胞分化、リプログラミング、薬剤応答性など様々な現象との関連が示されつつある。細胞状態の不均質性がどこから生じるのか、また、様々な生命現象とどのように関わっているのか、を理解することで、生命らしい柔軟な細胞機能の理解に繋がるであろう。しかしながら、細胞集団のなかに、どのような細胞状態がどの程度存在するかを、正確に、網羅的に知ることは困難である。そこで、我々は、高い再現性と精度を誇る1細胞RNA-Seq法 Quartz-Seq を開発した。この方法は、既存の1細胞遺伝子発現測定法と比較し、2.7倍以上の遺伝子を検出し、実験の再現性を示す指標である相関係数は 0.93 を越える。さらに細胞の分化状態だけでなく、細胞周期のような小さな細胞状態の差をも検出できることを示した。本講演では、マウスES細胞を利用し、Quartz-Seqの性能を示し、細胞の不均質性がどこからやってくるのかを議論したい。

http://mbsj2013.castle104.com/#!_/presentations/4203

Sox2が幹細胞性を維持するメカニズムをChIP-Seqで明らかに

理研CDBの足立健次郎研究員(多能性幹細胞研究プロジェクト、丹羽仁史プロジェクトリーダー)らと、ユニットリーダーの二階堂愛が共同で行った研究について、論文が出版されました。詳細は以下のプレスリリース・論文をご覧ください。

プレスリリース: Sox2が幹細胞性を維持するメカニズム

Kenjiro Adachi*, Itoshi Nikaido*, Hiroshi Ohta, Satoshi Ohtsuka, Hiroki Ura, Teruhiko Wakayama, Hiroki R. Ueda & Hitoshi Niwa. Context-Dependent Wiring of Sox2 Regulatory Networks for Self-Renewal of Embryonic and Trophoblast Stem Cells. Molecular Cell. 2013. (*Equally contributions)

1細胞RNA-Seq法の総説が出版されました

上級センター研究員の笹川洋平、ユニットリーダーの二階堂愛らが執筆した1細胞RNA-Seq法、Quartz-Seqの総説が出版されました。

笹川洋平. 二階堂愛. 上田泰己. 1細胞RNA-Seq法の最前線と今後の展開. ゲノム医学・生命科学研究 総集編. ポストゲノムの10年は何をもたらしたか. 榊佳之,菅野純夫,辻省次,服部正平/編. 実験医学増刊 Vol.31 No.15. 2013