イルミナ社ウェビナーで1細胞RNA-Seq: Quartz-Seq の講演を収録してきました

茅場町にあるイルミナ社でウェブ上のセミナー、ウェビナーの収録をしてきました。録画(録音?)は以下で公開されています。

RNA-Seq をはじめよう!シリーズ:「0.1 pg の mRNA をシーケンスする高精度なRNA-Seq法: Quartz-Seq」 独立行政法人 理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット 二階堂 愛、笹川 洋平

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新しい1細胞RNA-Seq: Quartz-Seq 法の論文が出版されました。

Sasagawa Y and Nikaido I, et. al. Quartz-Seq: a highly reproducible and sensitive single-cell RNA-Seq reveals non-genetic gene expression heterogeneity. Genome Biology. 14. 2013

0.1 pg mRNAから高精度にRNA-Seqを行う手法を提案しています。

Genome Biology誌の月間閲覧数1位、Editor’s pickに選ばれました。GenomeWeb誌 InSequence に取り上げられました。

Researchers Present Streamlined Poly-A Tailing-based Strategy for Single-cell RNA-sequencing, GennomeWeb, InSequence

詳細は以下で公開しています。

またイルミナ社ウェビナーで講演します。ご興味のあるかたはこちらもどうぞ。

平成26年度基礎科学特別研究員の受け入れをします

平成26年度 基礎科学特別研究員(基礎特研)の募集が開始されます。

文科省学振PDの理研版のようなもので、自由な発想で主体的に研究できる場を理研が提供するのが目的です。具体的には、3年間の給与と年間100万円の研究費をサポートします。学振と違い理研の研究員として雇用されるため、理研の福利厚生(家賃補助、交通費サポート、休日、裁量労働制など)がそのまま適用できます。給与も国立大学の助教並みです。学生がほとんどいないので教育に時間を取られる、ということも少ないです。学振PDとは違い専従義務が緩く、科研費はもちろん民間財団などの外部予算の応募も可能です。さらにスーパーコンピュータRICCを始め、理研の様々な設備が利用でき、理研内グラントへの応募もできます。

良いことだけ挙げるのはフェアではないので、デメリットも挙げておきます。まず、大学から離れることで、大学の定番の出世コースから外れてしまう可能性があります。また大学助教とは違い、教育歴が付きません。運営が政策に左右される面も多少あります。センターによってはミッションがある程度決まっている場合もあります。

応募前に、まず、受け入れ研究室を決めておく必要があります。我々のラボも受け入れ可能な研究室に指定されています。DNAシーケンサーのデータ解析に少しでも関連するテーマであれば相談の上、自由にテーマを決めてもらって結構です。特に、統計学、機械学習、反応速度論などの物理化学、情報科学、HPC周辺分野の人がマッチすると思います。生物学出身で、このような分野に独学してでもトライする気概のある人でも構いません。ウェットな研究をしたい方には、我々しか持たない新しいシーケンス技術を活かして問題を解く、といったテーマがありますが、実験費用の問題がありますのでご相談してください。テーマに迷っている方はスキルと好みに合ったテーマを相談して決めるところから始めます。研究費に関しては、基礎科学特別研究員の研究費は、自分で自由に用途を決定して頂き、必要に応じてラボの運営費から追加のサポートをします。

場所は池袋からわずか2駅12分の和光市駅の側にあります。東武東上線、副都心線、有楽町線で一本で来れますので、都内からのアクセスは良いです。

メリット・デメリット、運営方針など挙げましたが、最後はボスとの相性が大事だと思いますので、ご興味のあるかたはお気軽に連絡してください。メールアドレスは、itoshi dot nikaido at riken dot jp です。4/20の理研和光キャンパス一般公開に合わせて、募集についての説明会が催されます。その際に、ラボに寄って頂いても結構です。では連絡をお待ちしております。募集の説明会の申し込みは4/17までです。

制度や募集方法の詳細は「平成26年度 基礎科学特別研究員 募集要項」をご覧ください。

ウェットラボの立ち上げ

我々のラボは部屋が2室あり、2Fと1Fに分かれています。ドライラボは2Fに、ウェットラボは1Fにセットアップしています。

実験機器に関しても、理研内のラボの統廃合に伴いリサイクル品が出てきますので、それを輸送費のみで頂いて集めています。同じキャンパス内のものは、輸送費を浮かせるために、公用車(2tトラック)で運びます。

ご協力頂いたみなさまに感謝。

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科研費採択

ユニットリーダーの二階堂愛さんが若手研究(B)に採択されました。オミックスデータと物理化学的モデリングによって現象を表現する数理モデルを構築します。

また上級研究員の笹川洋平さんは、去年に引き続き、挑戦的萌芽研究を継続して「多数の1細胞から定量性のある網羅的遺伝子発現情報を取り出すための基盤技術の開発」を進めていきます。